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2026.02.25若女将のぽそぽそ話し…

鹿と私のお話し

鹿と私のお話し

古都・奈良の朝は、澄んだ空気と、どこからか聞こえる鹿の鳴き声とともに始まります。
今日は、私の日々の元気の源である「大切なお友達」のお話をさせてください。

当館の玄関先には、決まって遊びに来てくれる鹿が何頭かいます。数多くいる鹿たちの中でも、「小豆」という子鹿は、昨年生まれた頃から見守ってきた存在で、ひときわ愛着を感じています。

お客様のお出迎えの合間や、ふと一息ついたとき。少し遠くにその姿を見つけて、「あずき」と声をかけてみます。

すると、ぴくりと耳を立て、こちらを向き、タッタッタと懸命に駆け寄ってきてくれるのです。

近くまで来ると、そっと鼻先を私の手に寄せて、静かにご挨拶。
「今日もいいお天気ね」
「お腹は空いていない?」
そんなふうに話しかけると、澄んだ瞳でじっと見つめ返してくれます。

スタッフから「若女将、また鹿さんと内緒話ですか?」と声をかけられることもあります。少し照れくさくもありますが、この子と過ごすひとときは、私にとって何よりのリフレッシュタイムです。まっすぐな生命のぬくもりに触れるたび、背筋がすっと伸び、また笑顔でお客様をお迎えしようと思えるのです。

奈良の鹿は、古来より「神の使い」として大切にされてきました。人と鹿が自然に寄り添うこの風景こそ、奈良ならではの魅力ではないでしょうか。

当館へお越しの際は、ぜひ玄関先にも目を向けてみてください。もし運よく私のお友達に出会えましたら、どうぞ優しく見守ってくださいね。

 

皆さまの旅が、この街に流れる穏やかな時間のように、そっと心に残るものでありますように。
看板鹿とともに、心を込めてお待ちしております。