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2026.03.17若女将のぽそぽそ話し…

お水取りのお茶会へのご参加ありがとうございました。

お水取りのお茶会へのご参加ありがとうございました。
奈良に春を告げる二月堂の「お水取り」。
その厳かな祈りの期間中、当館では「お水取りのお話会とお茶会」を開催いたしました。おかげさまで想像以上に多くのお客様にお越しいただき、皆様と温かな時間を共有することができました。心より御礼申し上げます。

お水取りは、1275年もの間一度も絶えることなく続く不退の行法。
闇の中を駆ける大きな松明、夜空に舞い上がる火の粉、そして静かに響く読経の声。奈良で生まれ育った私にとっても、この季節はどこか特別で、胸の奥がすっと引き締まるような思いがいたします。

今回の「お水取りのお話会とお茶会」では、私自身の言葉でお水取りの由来や奈良の人々の想いをお伝えし、心を込めてお茶も点てさせていただきました。
茶碗を温め、茶を振るい、静かに湯を注ぐ。そのひとつひとつの所作に、広間がしんと静まり返り、お客様の視線が自然と手元に集まります。その空気に包まれるたび、私自身も不思議と心が整っていくようでした。

正直に申し上げると、初日は少し緊張もしておりました。
ですが、お話を聞いてくださる皆様のあたたかな眼差しに支えられ、気付けば私の方がその時間を楽しませていただいていたように思います。

「お話を聞いてから二月堂へ向かうと、炎の見え方が変わりました」
「お水取りの業を見るきっかけになりました」

そんなお言葉をいただくたびに、胸がじんわりと熱くなりました。奈良に古くから受け継がれてきた行事の魅力を、こうしてお客様と分かち合えることは、私にとって何よりの喜びです。

お水取りが終わると、奈良の空気はふっとやわらぎ、街はゆっくりと春の気配に包まれていきます。これから奈良公園や若草山のあたりも、桜の季節へと移ろってまいります。

今回いただいたたくさんの笑顔とご縁を胸に、これからも「むさし野」で過ごすひとときが、皆様の心にそっと灯がともるような時間になるよう努めてまいります。

ご参加くださった皆様、そして遠くから気にかけてくださった皆様、本当にありがとうございました。
また次の季節、この静かな奈良の宿でお会いできる日を楽しみにお待ちしております。